外国人雇用の正解|在留資格とキャリアパス
外国人雇用におけるキャリパスとは
一蓮托生。それは在留資格。
今回は、外国人にとっての「キャリア」について書いてみたいと思います。
日本人の若い世代にもキャリア教育が実施されており、一昔前のキャリアの感覚よりもかなり重たい感じになっているのが最近の傾向のように思います。
ここでは、そういうキャリアという考えそのものというより、「外国人にとってキャリアと一蓮托生なもの」について話をしたいと思います。
それは、皆さんお察しの通り「在留資格」です。
技能実習制度と特定技能制度の見直し・新制度とは
特に皆さんに関わりの深い技能実習と特定技能においては、大きな転換点を迎えようとしています。
その転換のキーワードも「キャリアパス」です。皆さんも御存知の通り、技能実習制度は「新たな制度(以下、「新制度」とします。)」として、名称を変えてより特定技能制度への移行を意識した形に変わろうとしています。
さらに、特定技能2号に関しても創設がほぼ確実でしょう。これにより新制度で5年間、特定技能1号で5年間、特定技能2号で更新の上限なく就労が可能となると考えていいでしょう。
よって、厳しくなるとか、転職可能になるとか議論されており「それなら、新制度よりは特定技能の方が楽」という安直な受入が増えたような気がします。もちろん特定技能での受入自体を否定するわけではなく、コロナの影響や技能実習生の受入人数枠等の関係で今のうちに受け入れておくということは、正しい行為だと思います。しかし、それが、将来的にも正しい選択であるとは限りません。
特定技能2号!?
特定技能2号の試験難易度は高い。
特定技能2号になれる人の条件は既にある建設分野では、「2号用の試験に加え工程管理の実務経験」、介護分野は在留資格「介護」があるので特定技能2号はできないとのことですが、在留資格介護の条件は国家資格である介護福祉士の合格です。
つまりとても難易度が高いのです。
新制度で入国してくれば、日本語の習得も含め10年間かけて合格を目指すことができますが、特定技能1号から入ってきた場合には5年間しかありません。
本当に長く働きたい、あるいは、働いてもらいたいのであれば、こういう在留資格の有無だけではなく、本当に在留資格を得るために準備が十分であるかまで考えないといけません。
短期間採用と長期間採用を両輪で回せ。
もちろん、スキル的なキャリアや、収入的なキャリアも、当然ありますが、その前提はやはり在留資格なので優先事項となってしまいます。
中には短期的に働いて母国に帰りたいというニーズもあるので必ずしも本人が長期就労を望んでいるとも限りません。その場合は、新制度がいいのか?特定技能1号がいいのか?入口の検討は非常に重要です。
つまり、入口から出口まで(どういう在留資格で入国し最終的にどういう在留資格を得たいのかその過程における経験や学習の期間などの準備)が、外国人にとってのキャリアとも言えるのです。
外国人にとってのキャリアとは
前回の記事の内容である「外国人が成長・定着できる会社について」と今回の内容である「成長・定着の土台となる在留資格を育てることの大切さ」を通して、外国人受入における「キャリア」の正体について簡単にお話してみました。参考になれば幸いです。
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